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今回は長年医療ソーシャルワーカーとして活躍されてきた田嶋昭二さんとの対談です。

福祉のきっかけは何でもいい!

薄田:よろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。

田嶋:よろしくお願いします。
どのへんから自己紹介すればいいんですかね(笑)
経歴から言いましょうか。大学を卒業して半年程ブラブラしてまして(笑)県警の運転免許課で臨時職員を1年やりました。正規職員目指して公務員試験を受け、学科は合格したのですが面接で障害もあり無理だろうと判断され不合格になりました。人生で一番悔しい思い出です。自活生活するために何の仕事をしたいという事より、生活するために採用してくれるところならどこでもいいと思っていました。

何か技術を身に付けないといけないと思ってところ幸い青写真の会社でトレースの仕事が見つかり、3年半図面を書いていました。
その後パルコに和紙の店を出しましたが、パルコの都合により7年で退店しました。退店後は自宅でトレースの下請けをしていましたが、事務所と自宅の往復でだんだん世界が狭くなってきたことに不安を感じていました。しかし、40歳近くで障害もあれば就職も難しいだろうし何か資格でもあればと思っていたところ、平成元年に社会福祉士という資格が出来るという新聞記事があり、また大分に養成校ができるとのニュースを見て早速入学手続きをしました。

幸い1年で合格したのですが、当時は相談業務専門の仕事は福祉施設では確立してなく、福祉関係での就職は難しくどうしたものかと思っていた時、医療ソーシャルワーカーという職業を知り、知人の紹介で三重町の病院に就職することが出来ました。

薄田:そこでずっと第一線で医療ソーシャルワーカーとして?

田嶋:そうですね10年くらい主にソーシャルワーカーをしていました。最初は知識、経験も全くなく、何も分からないので勉強しなくてはと思い、医療社会事業協会〈現医療ソーシャルワーカー協会〉に入会したのですが、その頃は研修会にも4~5人の参加しかない時もあり、しょうがないなと思いつつずっと参加していたら会長職を10年するような結果になりました。

今は協会も200人を超えるしっかりした組織になっています。三重町の病院を退職後は大分の病院を2ヶ所、有料老人ホーム、自分でケアマネ事業をしたりしました。現在は看護やリハ学校の非常勤講師、介護職養成校のアドバイザーをしています。

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薄田:経歴が幅広いですね。福祉への興味、関心はいつ頃からありましたか?

田嶋:僕に障害があるから福祉に関心があったという事は全くありません。むしろ福祉というのは好きでなかったんですよ。何か上から目線で見られているようで、そんな風にみられるのが嫌いでね。
支援を受けるとか、慰められるのが嫌で、自分で何でもやって生きていこうと思ってましたから。

薄田:では、仕事がメインで資格を取ったんですね。『福祉に携わる為に』ではなく。

田嶋:そうそう。生きていくために(笑)
だから若い人に言うんだけど、きっかけは何でもいいんだよって。福祉に熱意をもって頑張ろうとかいう気持ちだけでなくても何かのきっかけで関心を持ったとか。僕が福祉の仕事から一番学んだのは、人の価値や人に対する見方。「病院の立場で考えるのではなく患者さんの立場でどう考える」事が大切。

とはいっても経営・運営もあり理想通りにはいかないが、病院の代弁者になってしまうとSWとしての専門性を失ってしまうのでSWはバランス感覚が必要だと思っています。理論云々より現場の患者さんを敬う姿勢がないと駄目だと思ってます。

田嶋さんも現場主義なんですね!

田嶋:僕は現場が一番大事だし、現場に学ぶことが多くあると思うんですよ。ソーシャルワーカーは学校で何々理論と云々学ぶでしょう。それは悪くはないけど理論がそのまま現場で通用するとは思えないので、現場で裏付けされSW自身が消化したものであって欲しい。理論が先行したらそれは違うよとよく言います。これは僕の独断ですが(笑)

薄田:いやいや、僕も現場が大事だなと常々思うんですよ。僕もヘルパーとして働いている部分もあってですね。障害を持った方の支援をしててそう思い思います。

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田嶋:福祉は優しさが大事とかよく言うけど、優しさって言われるほど必要かな。優しさがいらないというと語弊があるかもしないけど、優しさだけだとただの自己満足でないかと思っています。いろいろな人がいます。優しさはその人を依存的にしてしまい自立性も失ってしまう危険性があります。

優しさにはこういった裏表ある事を理解しないととんでもない結果になります。専門家としてしっかりアセスメントした対応が大事。優しさでの対応だと感情的にも相手が応えてくれないとか、してあげているのにといった心情にもなります。

薄田:それはやっぱり社会福祉士というか、こういう仕事をしてきたからこそそういった考えができるということですか。

田嶋:そうですね。だけどね、資格は関係ないと思いますよ。資格にこだわっていな
いですよ。ただ、就職するには資格を持っておかないとっていうのはありますけどね(笑)

薄田:なるほど。やはり最初のほうに言っていたきっかけは何でもいいと。

次回に続く、、、。